ジェネリック医薬品は、検査が不十分であると聞いた事がありますが本当でしょうか。 ※過去日本ジェネリック医薬品学会事務局へ寄せられたご質問と弊会からの回答でございます。
検査という言葉が示す内容が明確ではありません。製造販売申請時に厚労省に提出する資料が先発の提出資料に比べ不十分であるという指摘か、あるいは、日常の製品管理のための検査が先発にくらべ不十分であるという指摘か、どちらかであろうと思います。 前者に関しては、よく、医薬品の承認審査のための資料内容をジェネリックと先発で混同される場合がありますが、医薬品承認は、「成分に関する有効性、安全性試験」と「製剤化した時の有効性、安全性試験」に大別され、ジェネリックに関しては、「成分に関する有効性、安全性試験」は既に先発医薬品承認時になされていますし、市販後の期間の間で副作用等の情報が把握されている為、急性毒性などの各種検査が免除されます。この部分で検査のために、また多くのコストを掛けることは、非常に不効率かつ無駄との判断です。 そのためジェネリック医薬品に関しては「製剤化した時の有効性、安全性試験」のみとなります。主要成分と添加物にて形成した「医薬品」が、 ・「生物学的同等性(人を使った臨床データで、先発医薬品と同等の体内動態が認められ、同等の臨床効果が期待されるかを課す試験)」 ・「安定性(流通期間中における変わらない品質の保持)」 において、先発品と同等であることが証明されることでジェネリック医薬品は承認をされます。この資料で、十分、先発と同等の有効性、安全性を有する医薬品であることが担保されています。この審査内容、方法は世界共通です。我が国だけが不十分である内容で審査し、承認している訳ではありません。 後者に関しましては、先発、ジェネリック共通の国の規制のもとに製造管理、品質管理が行われています。定期的な査察も行われています。 ジェネリックが不十分という内容はありません。