日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会の活動趣旨 |
2023年4月1日 |

患者の高負担,国民医療費の高騰,病院における包括支払制度の拡大など,時代の変化の中で,価格の安価なジェネリック医薬品やバイオシミラーの役割がますます重要となっています.現在欧米ではジェネリック医薬品の品目ベースでのシェアは80%~90%にも達しています。日本でもジェネリック医薬品市場は諸外国並みの80%に達しました。
しかし我が国では2021年以来、一部のジェネリック医薬品企業の品質不祥事に端を発したジェネリック医薬品の供給不安が起きています。
こうした中、ジェネリック医薬品企業は、その品質の信頼回復と供給不安解消の努力を行っているところです。また国においてジェネリック医薬品の薬価、流通、そして産業構造にも立ち入った政策を取りまとめ中です。こうした中、学会としても2022年3月にGMP違反再発防止プロジェクトより3つの提言、そして2023年4月に制度部会より5つの提言を行ったところです。
一方,いつの時代にも画期的な新薬は必要とされています。とくに最近ではバイオ医薬品の躍進がめざましいです。しかしこうした新薬も年月を経て,特許が切れれば,その有効成分は開発メーカーばかりのものではなく,社会全体の共有の財産となります。こうして生まれてくるバイオシミラーについても、その普及については成分ごとにばらつきも見られます。またバイオシミラーの生産を行える企業が国内には少ないことも大きな課題です。
弊会は,こうしたジェネリック医薬品やバイオシミラーの課題について品質、供給体制、情報等の検討を行うために、現場の医師,薬剤師を中心として設立されました。弊会は,当初2003年9月より日本ジェネリック研究会としてスタートし,2007年より日本ジェネリック医薬品学会に移行しました。そして2017年4月より学会名を日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会へと改めました。
現在,弊会は年1回の学術大会,学会誌「ジェネリック研究」の発刊,Web 上での「ジェネリック医薬品情報検索システム(GIS)」,「かんじゃさんのくすり箱」などの情報提供活動,ジェネリック医薬品の配合剤に関する「統一ブランド名」の推奨等を行っています。また各種セミナー活動,バイオシミラー分科会,品質評価委員会,制度部会,流通委員会,国際委員会などの各種委員会活動を通じて,ジェネリック医薬品とバイオシミラーの理解と普及に努めています。
こうした学会の趣旨をご理解の上,ぜひ日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会にご参加の程お願い申し上げます。
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日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会代表理事
武藤 正樹 |